複線図の書き方(第二種電気工事士)【コツ・ルールもご紹介】

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皆さんこんにちは。第二種電気工事士の勉強で、配線図の勉強は避けては通れない道です。しかし数学の計算問題とは違い、今までに学習してきた内容ではなく、初めて勉強する内容なので「参考書を見ても理解しにくい」と感じたことはないでしょうか?僕自身も初めて配線図の勉強をするときは、理解するのに時間がかかりました。
筆記試験と技能試験の両方で必ず必要になる知識であるため、筆記試験のときに「単線図から複線図に書き直す」ことをマスターしていると、技能試験の勉強が圧倒的に進めやすいです。
これから筆記試験を受けられる方は「複線図の書き方」を先にマスターして頂くと後の技能試験が楽になります。
これから技能試験を受けられる方で「複線図の書き方」から勉強される方は、描き方のルールをまず覚えるようにして下さい。そうすることで、どの候補問題でも「複線図の書き方」はすぐに理解できます。
本記事では、基本的な複線図の書き方と、例題を1問ご紹介します。今後の学習へ役立てて頂けると幸いです。

複線図の書き方:決められたルール

電源には、接地側(N)と非接地側(L)がありますよね。それぞれ使用する線の色が上図のように決まっています。ここで注意して頂きたいのが、スイッチから出ていく線です。線色は、基本的には白(黒、赤もあり)と書いています。ここに関して、次項の複線図の書き方をご覧頂くと、理解して頂けるようになっています。

複線図の書き方

令和3年度公表問題No.3

上図の問題は電気技術者試験センター様から公表されている令和3年度公表問題No.3です。
まずは複線図の描き方をマスターして頂くために、書き方の手順をお伝えします。
この単線図の「電源→ジョイントボックス→スイッチ(ロ)」の複線図を書いていきます。
①「接地極(N)、非接地極(L)、ジョイントボックス、スイッチ」を書きます。
②「接地極(N)から出ている線」を書きます。
③「非接地極(L)から出ている線」を書きます。
④「スイッチから出ている線」を書きます。
以下が①~④の手順で書いた複線図です。基本的にはこの順番で書いていけば問題ありません。

①「接地極(N)、非接地極(L)、ジョイントボックス、スイッチ」を書きます。このとき図の様に、電源の線色やスイッチの記号を記入しておくこでミスを防ぐことができます。

②「接地極(N)から出ている線」を書きます。「接地極(N)からジョイントボックスへ1本」と「ジョイントボックスから他の器具への1本」の計2本をジョイントボックス内で結線します。この結線するところは、図の様に「●」を描いて下さい。配線する際に一目瞭然で分かるためです。また、線を書くとその線の色も記入するようにしましょう。

③「非接地極(L)から出ている線」を書きます。「非接地極(L)からジョイントボックスへ1本」と「ジョイントボックスからスイッチ(ロ)への1本」と「ジョイントボックスから、右側のジョイントボックスへの1本」の計3本をジョイントボックス内で結線します。②と同様に、この結線するところは、図の様に「●」を書いて下さい。配線する際に一目瞭然で分かるためです。また、線を書くとその線の色も記入するようにしましょう。

④「スイッチから出ている線」を書きます。「スイッチからジョイントボックスへの1本」と「ジョイントボックスから右側のジョイントボックスへの1本」の計2本をジョイントボックス内で配線します。今までの手順①~③の通りに配線を進めていると、この2本は線の色が必然的に決定します。なのでスイッチから出ていく線は基本的には白になります。
次項ではスイッチから出ていく線が白でない場合をご紹介します。

スイッチから出ていく線が白ではない場合

本項では「スイッチから出ていく線が白ではない場合」についてご紹介します。例外の場合は「2連以上のスイッチ」「3路4路スイッチ」を使用する場合です。なぜ白以外を使用するかというと、3芯線または、2芯線を2本使用するからです。3芯線は「黒、白、赤」、2芯線×2本は「黒1、黒2、白1、白2」です。スイッチは非接地極側(L)が接続されるので「黒、黒1」は除外されます。スイッチから出ていく線は3芯線で「白、赤」、2芯線で「黒2、白1、白2」となります。この線は色が入れ替わっても問題ない場合がほとんどです。具体的に図で見ていきましょう。

令和3年度公表問題No.1

上図の問題は電気技術者試験センター様から公表されている令和3年度公表問題No.1です。
この問題について先程ご紹介した順に複線図を書いていくと以下の図になります。

線色が入れ替わって問題ない例

電源から3連スイッチの複線図です。図の青丸で囲っている箇所は、線色が入れ替わっても問題ありません。このようにスイッチから出る線は必ずしも白とは限りませんが、なぜ赤や黒になるか理解していると、試験本番でも間違えることがないと思います。

例題:令和3年度公表問題No.1の複線図

それでは実際に「単線図から複線図に描き直す」例をご紹介します。
本項で使用する問題は、令和3年度公表問題No.1です。

令和3年度公表問題N0.1

①配線を描く前に接地極側(N)と非接地極側(L))、各器具の図を書きます。
②接地極側(N)から器具への配線を書いていきます。
③非接地極側(L)から器具への配線を書いていきます。
④スイッチと対応する器具を書いていきます。
※ジョイントボックス内の接続箇所は都度書いていくようにしましょう。

①配線を描く前に接地極側(N)と非接地極側(L))、各器具の図を書きます。このとき問題と同じ配置で書くようにしましょう。

②接地極側(N)から器具への配線を書いていきます。この問題では、スイッチ以外の器具に配線されているため、上図のようになります。またこの段階で「線色、結線箇所に●」を記載しておきましょう。

③非接地極側(L)から器具への配線を書いていきます。この問題では、スイッチのみへの配線ですが、注意する点は、スイッチは渡り線を使用することです。なぜ渡り線を使用するかというと、問題で使用する線が指定されているので、この配線方法でないと問題通りに配線できないためです。

④スイッチと対応する器具を書いていきます。青丸で囲っている部分は線色が入れ替わっても問題ありません。対応するスイッチと器具の配線間違いに注意して書いていくようにして下さい。
この④で複線図は完成です。後は使用するリングスリーブの大きさを記入して頂ければよりミスが少なくなると思います。

最後に

今回は、「単線図から複線図に書き直す」ことを目標に、基本的な複線図の書き方をご紹介しました。今回ご紹介した複線図の描き方は、僕が実際に技能試験で複線図を描いた手順です。公表問題の中には少し特殊な器具を使用する問題も存在していますが、基本的な考え方は同じです。受験される皆さんにとって少しでも参考になれば幸いです。

今回も最後までご覧頂きありがとうございました。

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