皆さんこんにちは。本記事のテーマを見て「ん?」と思われる方もいれば、「もう既に知ってるよ」という方もいらっしゃると思います。この「ジョブ型」と「メンバーシップ型」は人事制度なのです。
会社勤めをされている方なら、基本的にはこのどちらかの人事制度に当てはめられているでしょう。
この両者のメリット・デメリットといった特徴を、近い将来調べる必要が来る可能性が高いです。
というのも、従来日本企業では、「メンバーシップ型」と呼ばれる「終身雇用」の人事制度が主流でした。しかし、ここ数年「ジョブ型」と呼ばれる人事制度を導入する日本の企業が増えてきています。
そこで今回は、この「ジョブ型」と「メンバーシップ型」それぞれの人事制度のメリット・デメリットをご紹介させて頂きます。
目次
「ジョブ型」「メンバーシップ型」の簡易比較表
簡単に特徴をまとめると上記の表のようになります。
結局何が違うの?
分かりやすい給与の部分をご説明すると、会社から支払われる給与の配分方法に関する考え方が異なります。
メンバーシップ型の場合、年功序列で給与が上昇していくので、「成果や貢献度」は関係ありません。あくまで年齢や勤続年数で給与が決定します。
そのため上記のAさんとCさんを比較した場合、Aさんの方がCさんより、1日につくることができる量が多いです。しかし勤続年数の違いからAさんの方がCさんより貰える給与が少なくなります。
ジョブ型の場合、「勤続年数や年齢」は関係ありません。「成果や貢献度」といった要素のみで給与が決定します。
そのため上記のAさんとCさんを比較した場合、Aさんの方がCさんより、1日につくることができる量が多いため、給与もAさんの方が多いです。
このように「メンバーシップ型」と「ジョブ型」では、会社から支払われる給与の配分方法に関する考え方に違いがあります。ここからは「メンバーシップ型」と「ジョブ型」の制度に関する考え方の違いや、メリット・デメリットをお伝えします。
メンバーシップ型(終身雇用)とは?
メンバーシップ型は「終身雇用・年功序列」と考えて頂いて問題ありません。
メンバーシップとは、団体などの一員という意味で用いられています。そのように考えると、就社という言葉は意味合い的には合っているのではないでしょうか。
メンバーシップ型(終身雇用)は、終身雇用と年功序列を前提として、人を採用して、配置転換(ジョブローテーション)しながら経験を積ませる人事制度です。
上記のことから、「勤続年数=経験」と考えられるため、年齢を重ねるごとに給与が上がっていきます。
メンバーシップ型(終身雇用) のメリット
メンバーシップ型のメリットは、「会社側」と「労働者側」それぞれの視点からで異なってきます。
まずは会社側のメリットをご紹介していきます。
①終身雇用を条件に、人材の確保がしやすい。
②総合職での採用のため、人事異動などの条件を変更しやすい。
①「終身雇用を条件に、人材の確保がしやすい」点ですが、これは「労働者側」にとってもメリットになります。「終身雇用=安定した収入」になるためです。
②「総合職での採用のため、人事異動などの条件を変更しやすい」点ですが、ジョブローテーションと呼ばれる人事異動がスムーズに実行できるため、仕事が属人化しにくくなります。この仕事が属人化しにくくなることが会社側にとってメリットとなります。
次に労働者側のメリットをご紹介していきます。
①終身雇用・年功序列のため、長く働くことができ、年を重ねるごとに給与が増える。
②人材育成の場が用意されている。
①「終身雇用・年功序列のため、長く働くことができ、年を重ねるごとに給与が増える」点ですが、これは先ほどご紹介した「会社側」のメリットにもなります。やはり、40歳になれば「年収〇〇〇万円」とモデルケースが用意されていれば、人生設計がしやすくなりますよね。この点が最大のメリットといえます。
②「人材育成の場が用意されている」点ですが、会社は終身雇用を前提で採用しています。つまり社内あるいは社外の専門機関を通じて、従業員の成長を促すことで、企業の成長を促進するという考え方です。そのため教育制度はしっかりしている会社が多いです。
メンバーシップ型(終身雇用)のデメリット
メンバーシップ型のデメリットは、「会社側」と「労働者側」それぞれの視点からでそこまで差異はありません。どちらも同じようなことがデメリットです。
①優秀な人材を確保し続けられない
②年功序列の悪い部分が目立ってしまう
③成果や貢献を給与に反映することができない(反映されない)
①②③「優秀な人材を確保し続けられない」点ですが、この点は②「年功序列の悪い部分が目立ってしまう」③「成果や貢献を給与に反映することができない」点と少し被ってきます。優秀な社員が圧倒的な成果を上げても、給与は年功序列で上昇していくため、成果が給与に反映されません。その結果、優秀な社員は他の「成果を給与により反映してくれる会社」を探して転職してしまうからです。
このように全てのデメリットが繋がってきます。
ジョブ型とは?
ジョブ型は「仕事ごとにそれぞれ適した人材を配置する」という考え方の人事制度です。
職務内容の専門性を重視して、その専門知識を持っている人材を雇用する人事制度です。
職務の「難易度や責任の大きさ・成果や貢献度」によって給与が決定されます。年齢や勤続年数といった直接仕事とは関係ない要素は給与に反映されません。
ジョブ型のメリット
ジョブ型のメリットも「会社側」と「労働者側」それぞれの視点からで異なってきます。
まずは会社側のメリットをご紹介します。
①即戦力の人材を採用することができる
②専門性の高い人材を採用できる
①②共に似たようなメリットですが、ジョブ型は職務の「難易度や責任の大きさ」によって給与を決めることができるため、専門性が求められる職務の求人では、他の企業と比べて好条件の求人募集をすることが可能です。ここが「メンバーシップ型」との大きな違いです。
次に労働者側のメリットをご紹介します。
①年功序列ではなく、「職務の難易度や責任の大きさ・成果や貢献度」で給与が決まるため、適正な給与になる
②専門性をより追及することができる
①年功序列ではなく、「職務の難易度や責任の大きさ・成果や貢献度」で給与が決まるため、適正な給与になる点ですが、これは仕事ができる方からすると、とても良いことではないでしょうか。僕は本来仕事の報酬はこうあるべきという考えです。
②「専門性をより追及することができる」点ですが、メンバーシップ型と異なり、その職務で採用されているため、ジョブローテーションがありません。そのため、その職務に関する知識を深めることができます。「この仕事をずっとしていたい」という方にはぴったりではないでしょうか。
ジョブ型のデメリット
ジョブ型のデメリットは「会社側」と「労働者側」それぞれの視点からで異なってきます。
まずは会社側のデメリットからご紹介します。
①帰属意識が低くなりやすい(愛社精神が低い)
②人材を見つけにくい
①「帰属意識が低くなりやすい(愛社精神が低い)」点ですが、これは会社側からすると凄くデメリットです。会社内やチームで助け合いをするという意識が高まりにくく、自身に与えれられた仕事のみこなせば良いという風になりかねません。
②「人材を見つけにくい」点ですが、現在の日本ではメンバーシップ型が主流であるため、そもそも専門性のある人材が、転職市場に流れている可能性が低いです。また専門性のある人材を雇用できたとしても、またその人材が流出する可能性も低くはありません。
最後に(まとめ)
今回は、「ジョブ型」と「メンバーシップ型」それぞれの人事制度のメリット・デメリットをご紹介させて頂きました。
冒頭でもお話したように、ここ数年「ジョブ型」と呼ばれる人事制度を導入する日本の企業が増えてきています。
近い将来自分が直面する可能性のある事象であるため、しっかり両者の違いやメリット・デメリットを理解した上で、物事が判断できるように情報を集めておく必要があると思い今回の記事を作成しました。
この記事が少しでも役に立てば幸いです。
今回も最後までご覧頂きありがとうございました。
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